高血圧③減量のしかた
減量のしかた
社会の発展にともなう活動量の低下や
就労状況によって、
ヒトの活動量は大昔から比べて低下しています。
しかし、ヒトの体はその環境に適応しきっていません。
消化吸収やホルモン分泌量、
腸内細菌の様子も個人差があります。
食事量を減らしたり、
食べるものを変えたりして
うまく減量できるか様子をみましょう。
BMIと体脂肪率
BMIが25以上
体脂肪率が成人男性で25%、成人女性で30%
を超えると肥満です。
ウエストサイズが、
成人男性で85cm、成人女性で90cm
以上の場合は、
内蔵脂肪型の肥満の疑いがあり、生活習慣病にかかりやすいので
すぐにでも減量に取り組みましょう。
体重1Kgを減らすためには・・・
脂肪1gは9Kcalです。
ですが、ヒトの体内の脂肪は、
水分やたんぱく質などと一緒に存在しています。
ですからこれに0.8をかけた数字で考えます。
1kg×9Kcal×0.8=7200Kcal
これを1か月かけて落とすと
1日240Kcalをマイナスすればいいことになります。
全て食事制限で減量するよりも
運動と組み合わせたほうが、無理がありません。
ここでは毎日30分早歩き(120Kcal消費)をしたとして、
のこりの120kcalの食事制限を紹介します。
食事で減らすものと減らさないもの
体をつくるたんぱく質と
体の調子を整える野菜や海藻、果物は減らせません。
人の体で合成できない栄養成分が多く含まれるからです。
活動のエネルギーになる糖質や脂質から減らします。
120Kcalを減らす工夫
ご飯1日5杯分(1杯約180g)食べている方は、
冷ご飯にするだけで120Kcal減ります。
それ以外の方は、1日分の中から75g減らしましょう。
ご飯は冷やすとカロリーが下がる
冷ご飯は温かいご飯に比べて、
食物繊維のような働きをするでんぷん「レジスタントスターチ」が増え、
カロリーが10パーセントオフになります。
温かいご飯よりも風味や旨味がなく、食べずらいので、
味なしオムスビにして海苔を巻くなど、工夫して食べるといいですね。
ポテトチップス半袋(30g)→バナナ1/2本(50g)
ポテトチップスには、トランス脂肪酸という体に負担をかける油や、
アクリルアミドという発がん物質が多く含まれます。
また、植物油に多いリノール酸により、炎症がおきやすくなります。
ただでさえ、ダイエット時は脂肪が分解され、どうしても炎症がおきます。
炎症が慢性化すると、
生活習慣病にかかりやすくなりますので
植物性油脂を多く含むものは避けましょう。
お寿司のネタ
まぐろトロ4貫→あまえび4貫に変える
うなぎ4貫→ほたて4貫にする
お寿司10貫のご飯には3gの塩分が含まれています。
醤油をつけて、ガリも食べると1食で塩分5g以上になってしまいます。
お寿司は食べるとしても月1回にして、
カリウムの多い濃いお茶を多めに飲むようにしてください。
パンのチョイス
クロワッサン2個→バケット20cmにする。
バケットは噛み応えがありますから
満腹感を得やすくなりますし、脳にもよい刺激を与えます。
マーガリンやバターはつかわずに、少量のチーズで食べましょう。
チーズはビタミンCや鉄が含まれませんが、
それ以外は栄養的に優れています。
食事の間隔
最後に、食事の間隔は3~4時間以上あけてゆっくり食べましょう。
よく噛むことで、満足感を得やすくなり
体に必要な栄養成分を消化吸収する準備が整います。
運動は食後30分後に、
20分以上有酸素運動を行うと、減量に効果的です。
それは、食べ物が体脂肪に置き換わりはじめるタイミングだからです。
管理栄養士 眞島 真由美