インフルエンザ
インフルエンザ感染
インフルエンザウイルス感染による
かぜ症候群の一種です。
他のかぜに比べて
症状が強い特徴があります。
インフルエンザにはA型、B型、C型がありますが、
A型は少しずつ変異しながら
毎年のように流行します。
(2024年1-2月はB型が流行)
症状
- 高熱(38度以上)
- 頭痛
- 全身倦怠感
- 関節痛・筋肉痛
- 鼻水・咳・のどの痛み
- 小児でまれに急性脳症
- 高齢者では肺炎など重症化
インフルエンザB型の特徴
- 高熱が出ない場合もある
- 下痢や腹痛のような腹部症状が出やすい
異常行動
- 小児・未成年者に比較的多い
- 男性に比較的多い(女性でも発現する)
- 発熱2日以内の発言が多い
という特徴があります。
異常行動の例
- 突然立ち上がって部屋から出ようとする
- 興奮して窓からベランダに出て飛び降りようとする
- 人に襲われる感覚を覚え、外に走り出す
- 突然笑い出し、階段を上がろうとする
- 自宅から外に歩き出て、声をかけても反応しない
- 変なことを言い出す
- 泣きながら部屋内を動き回る
などです。
万一の事故を防止するために
- 玄関や窓を全て施錠する
- ベランダに接しない部屋で寝かせる
- できるだけ1階で寝かせる
など、ご留意ください。
検査
当院では鼻ぬぐい液抗原検査で
A型・B型を判定します。
治療
対症療法
- 解熱鎮痛剤(カロナール)
- 咳止め・痰切り
- 漢方
- その他
※ロキソニンやアスピリンは原則処方しません。
抗インフルエンザ薬
発症から48時間以内に使用することで
症状を1日短くする効果があります。
タミフル
カプセルを1日2回5日間内服
代表的な副作用:腹部症状(嘔気・嘔吐)
内服が可能であれば最も確実に体に届きます。
世界中で使用され、最もエビデンスがあり、安価です。
イナビル
1回吸入で完結(吸入方法)
吸入回数が少なくて済む一方、
吸入に失敗すると効果が得られません。
注意:肺炎・喘息例には使用しません。
リレンザ
1日2回吸入5日間(吸入方法)
B型に効果が高い可能性。
注意:牛乳アレルギー、喘息、COPD例では使用を避けます。
ラピアクタ
点滴です。
当院では使用しません。
ゾフルーザ
1回内服で完結ですが、
現時点ではエビデンスが不十分です。
当院では積極的には処方しません。
抗生剤
インフルエンザ罹患にともない、
肺炎になってしまう方がいます。
インフルエンザ感染症自体に
抗生剤を使う意味はありませんが
肺炎がある・肺炎リスクが高い場合に限って
抗生剤を処方を検討します。
当院受診者はほとんど心配ご不要です。
ワクチン
インフルエンザワクチンは
罹患自体を完全には防御できませんが
重症化・合併症発生の予防効果があります。
A型およびB型に効果があります(4価ワクチン)
接種回数
- 13歳以上:原則1回
- 13歳未満:2回接種
有効性
- 罹患リスクを60%減少
- 死亡リスクを1/5に減少(高齢者)
- 入院リスクを1/2〜1/3に減少(高齢者)
副反応
接種部位の腫れ・痛み・赤み 10〜20%
発熱・頭痛・寒気・だるさ 5〜10%
重大な副作用はごく低頻度で安全です。